- 通信制高校には普通の子も通っているの?
- 普通の子ってどんな子?
と疑問を持って、このページに辿り着いたのではないでしょうか。
今回は、普通の子とはどんな子なのか。
普通の子が通信制高校に通う理由はなぜなのかを紹介していこうと思います。
普通の子とはどんな子?
「普通の子」と聞いて、皆さんはどんな子を思い浮かべますか。普通の子という表現自体曖昧で、どんな人を指しているのかもわかりにくいです。
ただ、世間一般がイメージする高校生像は、
- 全日制高校に通っている子
- 不登校の経験がない子
というのが「普通の子」というイメージではないでしょうか。
令和2年の文部科学省の発表では、
生徒数 | 全体の割合 | |
全日制 | 3.012.708 | 91.3% |
定時制 | 79.356 | 2.4% |
通信制 | 206.948 | 6.3% |
全日制の生徒は高校生全体の9割を占めています。
普通の子が通信制高校に通う理由
通信制高校に対して、マイナスなイメージを抱いている人も多いかもしれませんが、自ら通信制高校を選択して進学している人も少なくありません。
では、普通の子が通信制高校をなぜ、選択するのかを紹介していきましょう。
専門的な知識を深く学ぶことができる
多くの全日制高校では、受験に向けた学習を進めていきますが、通信制高校では、専門的な知識を深く学ぶことができます。
専門的な知識を学べる例を挙げてみると、
- 美容師
- 看護師
- 調理師
などです。
こういう職種を目指す人は、全日制を卒業して専門学校や短大に進学し、専門課程を終えてから、国家資格の受験資格を得ることができます。
でも、通信制高校では、高卒資格と同時に免許取得できる場合があるので、より早く社会でプロとして実践の場で働くことができます。
受験勉強の時間を確保できる
通信制高校の登校数は月に2〜4回ほど。そのため、基本は自分で学習を進めていきます。
全日制高校の授業は、毎日カリキュラムが細かく決められているので、受験勉強をする時間は夜か土日と絞られてしまいます。
その点、通信制高校は自由な時間が多いため、時間を最大限活用して、国公立や私大の難関大学への受験勉強に充てる生徒も多いです。
多くの学生が学校に行っている間に、予備校に通うことも可能ですので、自分の将来のために通信制高校の特徴を活用する方が増えています。
学費・費用が安い
通信制高校を選択する理由の一つに、学費が安いという点もあります。
公立高校の3年間の学費の平均は約10〜15万円と言われており、全日制に比べて、費用の負担がとても少ないです。
また、就学支援金制度を利用すれば、授業料を実質無償化できるので、家族にかかる負担もより減らすことができます。
自分のペースで通うことができる
通信制高校の1番の魅力は自由に時間を使えるところではないでしょうか。
学校に通学するのは週1日程度なので、しっかりとレポートを提出期限までに提出すれば、それ以外の時間は何をしても大丈夫です。
アルバイトに励む生徒もいれば、趣味や習い事・大学の受験勉強に時間を費やす生徒もいます。
また、芸能・スポーツで活動しているような、物理的にも時間的にも学校に通えない方も通信制高校で高卒資格を目指すこともできます。
人間関係で悩まなくていい
通信制高校には、中学校で不登校を経験したり、高校に馴染めなかったりした生徒が多くいます。
全日制では、一クラス40人ほどいるので、同じ空間にたくさんの人がいることにストレスを感じる方も多いでしょう。
その点、通信制高校では、少人数制を採用しているので、人との関わりが全日制に比べて少ないです。
また、同じ境遇を経験した生徒が多いので、通信制高校では気の合う友達ができた!という声も多くありますよ。
通信制高校に通うことのメリット
通信制高校に通うメリットを紹介していきます。
- いろんな世代の人が通っている
- どんなタイミングでも入学可能
- 留年がない
いろんな世代の人が通っている
通信制高校では、10代だけでなく、働きながら通う30代の方や定年退職を迎え、60歳から学校に通い始める方もいます。80代の生徒もいるそうです。
全日制だと若い同世代の生徒が集まるので、通いにくいですが、通信制高校では、幅広い年代の方が通っているので、全く問題ありません。
どんなタイミングでも入学可能
通信制高校は全日制と違い、通信制高校の入学時期は、
- 4月、10月:新入生
- 毎月
- 随時
と自由度が高いです。
中学校ではどの時期でも転校は認められていましたが、高校では基本的に転校は認められていません。
欠員があれば受け入れを募集しますが、その枠は数名で倍率が高ければ、入学することはできません。
その点、通信制高校はいつでも転入学・編入学を入学を受け付けているのでメリットといえますね。
留年がない
通信制高校は、学年制ではなく単位制を採用しています。そのため、留年という概念がありません。
- 3年間以上の在籍
- 74単位以上の修得
- 30時間以上の特別活動の参加
の卒業条件をクリアすれば、高校の卒業資格を取得することができます。
仮に1単位落としても、次の学年で再履修することも可能です。
通信制高校のデメリットは?
続いてデメリット面についても紹介していきます
- 自分で勉強を進めなければならない
- 人との交流が少ない
- 進学は厳しい
- 希望の企業に就職できるわけではない
自分で勉強を進めなければならない
通信制高校の学習は自学自習です。全日制のように学校に行く必要はありませんが、レポートの提出日までに予定を立て、計画的に学習を進めていかなければいけません。
誰かに強制的に課題をやれ・学校にこいと指示があるわけではありません。自分で決めて、行なっていかなければいけません。
自由度が高い分、主体性が必要となるので、自分で全ておこなうことができないと卒業自体危うくなります。
人との交流の機会が少ない
学校に通う回数が少ないのは、通信制高校のメリットですが、考え方によってはデメリットにもなります。
それは、人との交流が少なくなることです。全日制ではクラスで授業を受けます。
そのため、必然的に先生・クラスメイトとの交流が生まれ、コミュニケーションを取ります。
ですが、通信制高校では、学校に通うのは週1日。人と接する機会が少ないです。そのため、学校で友達ができないということもよくあります。
通信制高校の生徒が友達を作る手段で一番多いのはアルバイトですね。
進学は厳しい
通信制高校の進学率は大学に比べて、低く、世間からは進学が難しいと思われています。
通信制高校 | 全日制高校 | |
大学進学 | 16.7% | 54.4% |
専門学校進学 | 23.8% | 23.0% |
実際のデータを見ても、全日制の大学進学率は約54%なのに対して、通信制高校では、16%しかありません。
県立や地域の私立のHPでは、進学実績を載せていない高校も多いです。
全日制では受験勉強のサポートを行なっている学校は多いですが、通信制高校では、受験のサポートよりもメンタルてきなサポートが主となります。
通信制高校の特色上、大学進学を目指している方が多く入学するわけではないということを考えると大学進学率が低く出てしまうということは当然の結果といえますね。
希望の企業に就職できるわけではない
娘、進路説明会に出た。通信制高校では、就職は全日制の生徒から先に採用されるので難しい。進学は、学校の授業だけでは大学は受かりませんと話があったとのこと。普通は全日制行く。無理だから通信制になったんだし。現実を正直に伝えてくれた学校に感謝。娘は病状さえ安定してくれたらなんとかなる。
— うつだん@うつ病男dism。2級ライフ。 (@uthudan) January 20, 2023
口コミの通り、高校生の就職は基本的に全日制から先に採用が始まります。これは、企業側の通信制高校に対してマイナスなイメージが残っているのも原因です。
ただ、実際のデータを見ていただくと、
通信制 | 全日制 | |
就職 | 14.3% | 16.4% |
通信制高校と全日制高校で就職率にそこまでの差はありません。
まとめ
ここまで通信制高校に普通の子は通っているのかについて紹介してきました。
通信制高校といえば、「不登校の子が行くところ」「何かしらの理由で全日制に通えない子が行くところ」というイメージを持つ方は多いと思います。
しかし、最近では受験のため、仕事と両立するためとさまざまな理由で通信制高校を選択する方が増えてきています。
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